インタビュー
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患者さまの状況を確認するために会話を大切にしています。
父の代から地域医療を支えてきました。まだ糖尿病治療の選択肢が少ない頃から経験を積み、地域の皆さまの健康を支えています。地域のかかりつけの医院として、患者さまの状況に合わせた診察をしていきます。
医師を志したきっかけ、糖尿病を専門にされたきっかけを教えてください。
自分が小学校3年生の時、昭和51年に父がこの土地で開業しまして、幼い頃から父の仕事を見てきました。皆さまに喜んでもらえる仕事なんだと思い、私も医師を目指しました。
医師になったあとは、消化器内科と内分泌・糖尿病の診療をおこなっている医局に入局。その後、医局は糖尿病を中心に診療するようになっていきました。
その頃の糖尿病の治療というと血糖値を下げるSU剤かインスリンを用いた治療で、今よりも治療方法が少なかったです。糖尿病は他のさまざまな病気と関連します。手術時に血糖コントロールが必要な時や、糖尿病が影響する他の病気の患者さまについても、複数の科と連携して治療をおこなっていました。時代と共に糖尿病の治療も変わっていますが、治療の選択肢が少ない頃から経験を積んできています。
診察の際に心がけていること、診察のモットーを教えてください。
忙しくて時間が合わなくなり通院が途絶えてしまう患者さまもおられますが、できないことを厳しく伝えて嫌気が差してしまわないように、継続しやすい治療を心がけています。患者さまが忙しい中でも来たいと思っていただけるように話をお聞きし、全員に同じ治療法を押しつけるのではなく、患者さまに合わせて治療を提案していきます。
家庭環境だったり、夜勤が多いといった仕事の状況だったり、運動不足だったり、患者さまそれぞれに事情は異なります。病気だけではなく生活を含めた全体を確認して、どのような薬を処方したらよいのかを考えるようにしています。また、高齢の方に対しては運動を強くすすめて腰やひざを痛めることがないように気を配っています。
院内のデザインや空間でこだわっていることがあれば教えてください。
建て替えをおこなう時にバリアフリー対応にして、玄関を大通りから一歩奥に入った場所にすることでスロープを緩やかにしました。車いすの患者さまにも負担が少なく出入りができるようになっています。院内も待合室は広めにゆとりをもって設計してもらっています。
また、ガラス張りにすることで待合室に日が差し込み、明るく心地よい雰囲気になっています。外観も内観も清潔感を大切にしつつ、来院した患者さまの気分が落ち着いてくださればいいと思ってシンプルなデザインにしています。患者さまに来てよかったと思っていただけたらうれしいですね。
地域医療への貢献のために取り組んでいることがあれば教えてください。
住之江区の医師会に参加し、学校医として子どもの健康を見守ったり、地域医療に貢献するための活動に協力したりしています。地域包括ケアの取り組みや糖尿病の方に対する活動など医師会の活動を通じて地域の皆さまの健康を支えていきます。
また、医師会に参加し、医師だけではなく訪問看護やケアマネージャーなどさまざまな職種の方々とお付き合いすることで、住之江区にあるさまざまな医療機関と連携が取れるようにしています。横のつながりを大切にすることで、自分で抱え込むことなく患者さまに対応できる医療機関を紹介しています。
生活習慣病や糖尿病でお悩みの患者さまにメッセージをお願いいたします。
当院では患者さまに簡単な食事・運動指導と、糖尿病のパンフレットを見ていただき実際にできることから始めていただいています。数値がよくなっていると「おやつをやめました」「運動を始めました」など頑張って治療されていることが分かります。数値の改善が見られなくても個人個人で治療経過は違いますから、患者さまの状況を伺い治療方針を決めていきます。
糖尿病は長く付き合っていく病気になります。治療を継続できるように、ある程度は腹を割って自分が思っていることを話せるようなかかりつけの医師を見つけていただきたいです。「正月に食べ過ぎてしまった」など正直に言えて、それを聞いてくれるような関係が大事だと思います。